認定理学療法士制度について
日本理学療法士協会が認定している資格で、登録理学療法士を取得後に目指すことのできる、特定の分野においてより水準の高い理学療法が提供できる理学療法士として認められたものです。
認定理学療法士の認定分野
2022年4月から予定されている認定分野として
- 脳卒中
- 脊髄障害
- 神経筋障害
- 運動器
- 徒手理学療法
- 切断
- スポーツ理学療法
- 循環
- 呼吸
- 代謝
- 発達障害
- 物理療法
- 補装具
- 疼痛管理
- 褥瘡・創傷ケア
- 介護予防
- 健康増進・参加
- 地域理学療法
- 臨床教育
- 学校教育
- 管理・運営
の21分野となっています。
今後、パーキンソン病やウィメンズ・メンズヘルス、がん、障がい者スポーツなどの新規分野が予定されているそうです。
認定理学療法士になるためには
まずは登録理学療法士を取得します。
登録理学療法士を取得後、認定理学療法士取得のためのカリキュラムを終了し、認定試験に合格する必要があります。
![](https://rehatubu.com/wp-content/uploads/2021/11/認定理学療法士制度.png)
認定試験は例年、5択のマークシート形式問題となっております。
今までは関連した分野における症例レポートを10症例分提出する必要がありましたが、新生涯学習プログラムでは要件から外されているようです。
認定理学療法士の取得者数(日本理学療法士協会 2020年10月1日データ)
総会員数:129,396名に対し
認定理学療法士取得者数(実数):10,271名
となっています。つまり、認定理学療法士取得者は理学療法士の約8%程度です。
認定理学療法士取得のメリット
現状、認定理学療法士を取得することでの直接的なメリットはありません。
勤務先によっては、認定理学療法士取得者には手当がつく場合もありますが、一般的な病院や施設では交渉次第といったところでしょう。
ただし、認定理学療法士を取得することで、学会での査読者や座長、講師といったことを経験できる可能性が高まります。
また、認定理学療法士を取得していることで、第3者からの信頼度は限りなく高まるのではないでしょうか。
認定理学療法士の取得者が8%程度しかいないことを考えても、キャリア形成のためにも必須かと思われます。
おわりに
認定理学療法士を取得するということは、自身のスキルアップあるいはキャリア形成のためにはとても重要なこととなります。
リハビリテーション専門職は様々な症例に対応し、社会資源の理解もしておかなければならないため、ジェネラリストとしての基盤が重要ですが、専門性に特化したスペシャリストとしての面も非常に重要なものと思われます。
医療職種は常に研鑽しなければなりませんが、一つの目標として認定資格の取得を目指してもよいかもしれません。