Functional Balance Scale(FBS)とは
高価で大げさな機械を使用せずとも利用できる、総合的なパフォーマンスに基づくバランス評価のことをいいます。バランス評価といえば、必ずFBSが挙がるほど知られており、リハビリテーション分野の研究論文では、頻繁にみられる評価になります。
Berg Balance Scale(BBS)との違いは?
Functional Balance ScaleとBerg Balance Scaleは同じ評価を指しており、同義語となります。Bergらにより開発されたバランススケールであるため、Berg Balance Scale(BBS)と呼ばれています。
適応
高齢者や脳血管疾患患者、運動器疾患患者など多くの方に適応となります。例えば、転倒リスクのスクリーニング評価に用いたり、転倒予防教室でバランス能力の経時的変化をみていくために使用してもよいと思います
ただし、バランス能力が元々高めの方に対しては、「天井効果」が認められるため経時的な変化が追いにくい可能性があります。
Functional Balance Scaleの評価項目
14種類の項目が設けられており、項目ごとに0~4点までの点数をつけていきます。合計点数は56点であり、どれほどバランス能力が優れていてもそれ以上の点数になることはありません。これを天井効果といいます。
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カットオフ値
高齢者の転倒に対するスクリーニングや脳血管疾患患者の家庭復帰のための基準値など、研究によって様々なカットオフ値が示されています。
・46点以上:病棟内移動が自立レベル
・36点以上45点以下:病棟内移動が見守りで可能
36点を下回ると転倒リスクが非常に高くなることがいわれています。基本的には、FBSの評価結果を参考に、認知機能(安全管理など)も含めて評価を行い、移動の自立基準にしていく必要があるかと思います。
結果の解釈について
合計点を確認することは非常に重要なことですが、下位項目ごとの結果の確認や動作分析をきちんと行い、どのような動作において問題が生じているのかを考えていく必要があります。
特に減点項目に着目して考えられるとよいでしょう。
おわりに
リハビリテーション分野において、バランス評価は数多くありますが、Functional Balance Scaleは信頼性や再現性にとても優れていますので、覚えておいて損はない評価となります。ただし、項目が多く、全て通すと10分~15分はかかってしまいますので、対象者の負担にならないよう注意して実施しましょう。また、評価をしていて転倒してしまうことがないように検査者は十分注意して実施してください。
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